石膏ボード面はNG?ガラス製ホワイトボードの安全固定ガイド
ガラス製ホワイトボードの耐荷重は「板の重さ+付属金具+運用時の荷重」を安全率(目安1.5〜2)で見込んで算出し、下地に適したアンカー/ビスを選ぶのが基本です。結論として、石膏ボード面だけへの固定は避け、木下地・軽鉄・コンクリのいずれかに確実に“荷重を逃がす”設計を行いましょう。
耐荷重の基本と考え方
・必要支持力=(板重量+付属品+想定付加荷重)×安全率(1.5〜2)。
・板重量の目安:6mmガラスで約15kg/㎡前後。例)1800×900mmで約15〜20kg+金具。
・運用時の付加荷重(マグネット掲示、ペントレー、拭き作業時の力)も上乗せする。
・点支持より面支持が有利。可能なら受け金具やベース板を用いて荷重を分散する。
アンカー選定のステップ
・下地確認:木(間柱)/軽量鉄骨(LGS)/コンクリ・モルタル。
・必要本数の計算:必要支持力 ÷ 1点当たり許容荷重(メーカー値)=最小本数→余裕を見て増設。
・せん断・引抜の双方を確認。許容荷重は“最小のほう”に合わせる。
・上下の複数点でバランスよく配置する。
下地別の固定方法と推奨例
・木下地(間柱):コーススレッド/木ネジで直止め。取付ピッチを把握し確実に固定する。
・軽鉄下地(LGS):ドリルねじや専用アンカーを使用。薄板でネジ山が潰れやすいので本数・分散でカバー。
・コンクリ/モルタル:オールアンカーやケミカルアンカー。穿孔→清掃→挿入→養生時間を厳守。
・石膏ボード単体:原則不可。12mm以上の合板を増し貼りして面支持し、そこへ固定。
サイズ・重量別の目安(製品代除く、設置側の考え方)
・小型(〜900×600mm/〜12kg):4点以上の支持。木下地直止めで可。
・中型(〜1800×900mm/〜25kg):6点以上の支持+上下分散。下地が薄い場合は合板補強。
・大型(〜2700×1200mm/40kg超):面支持+上下複数箇所の支持。施工は3名体制、搬入経路と姿勢保持を事前検証。
よくある失敗と対策
・石膏ボードにそのまま打った:→下地直止めに改修、または合板増し貼りで面支持化。
・下地数の不足で金具が歪む:→必要支持力から再計算し、金具を増設。
・拭き作業で揺れる/鳴く:→ビスの増し締め、ゴムスペーサで微振動を抑制。
まとめと進め方
・耐荷重は「必要支持力の計算」→「下地の把握」→「アンカー選定と本数設計」の順に詰める。
・石膏ボードのみは不可。木・軽鉄・コンクリいずれかに確実に逃がし、面支持を意識する。
サイズ(W×H×厚)、概算重量、設置壁の構成(石膏厚・間柱ピッチ・LGS/木の別)、設置写真(正面・側面・天井)があれば、必要な金具本数とアンカー種別、補強要否まで具体的に提案できます。